基本情報
学名:Muda kuroiwae
和名:クロイワゼミ
中国語名:黑岩蟬
英語名:Kuroiwa cicada
原産地:沖縄島、久米島
生態・特徴
クロイワゼミは、日本で唯一体色が緑色のセミですが、実際に見つけるのは簡単ではありません。
見つけにくい理由:
- 分布は沖縄島と久米島のみで、沖縄島の中でも広くはありません。
- 成虫は5月下旬から7月に現れ、鳴くのは日没後の約30分間だけです。
- 体が小さく、高い位置の葉の上にとまることが多く、保護色がとても優れています。
そのため、まず鳴き声のする場所を知っておき、日没後にぽつぽつと鳴き始める前に現地へ行き、大合唱が始まってから声を頼りに一匹ずつ位置を探すことになります。
種小名 kuroiwae は、クロイワトカゲモドキと同じく、国頭農学校の校長を務めた黒岩恒(Kuroiwa Hisashi)にちなんでいます。
ツアー中に撮影した観察記録写真と撮影日
本種は鳴く時間が短く、分布域も狭いため、当社のツアー中に見つかる機会は少ないです。


黒岩恒(1858年8月8日~1930年5月25日)は高知県佐川町の出身で、1892年に沖縄尋常師範学校に着任しました。沖縄の動植物の標本を当時の学界に提供し、多くの新種や日本新記録種の発表につながりました。クロイワトカゲモドキやクロイワゼミは、その功績をたたえて名付けられています。
1897年には尖閣諸島付近の島々を調査し、「尖閣諸島」と名付けました。1902年からは名護にあった国頭農学校の校長を務め、1915年に沖縄を離れました。
黒岩恒は、日本植物分類学の父・牧野富太郎と同じ高知県佐川町の出身です。牧野は1862年生まれで、黒岩より4歳年下、二人は親友でした。牧野は沖縄で採集したことはありませんが、黒岩は沖縄各地の植物標本を牧野に送っています:
Mr. Hisashi Kuroiwa’s Collections of Liukiu Plants.
牧野はこれらの標本をもとに新種も発表しており、たとえばAntidesma kuroiwai(コウトウヤマヒハツ)の種小名も黒岩恒にちなんでいます:
牧野標本館 模式標本データベース:Antidesma kuroiwai
参考資料:
クロイワゼミ Wikipedia
オキナワイキモノラボ クロイワゼミ
琉球大学博物館(風樹館)沖縄のセミ
黒岩 恒 Wikipedia
沖縄県立北部農林高校同窓会
ツマグロゼミを発見した黒岩恒氏について