Schima wallichii ssp.
和名:イジュ
中国語名:西南木荷、紅木荷
英語名:Okinawa needlewood tree
原産地:東南アジアに広く分布し、日本では琉球列島と小笠原諸島に分布。
イジュは、日本では琉球列島と小笠原諸島に自生していますが、それぞれに形態の違いがあり、琉球列島の個体群を別亜種とする見解もあります。ただし、現在のところ正式な分類は定まっていません。
イジュは琉球列島の非石灰岩地帯の森林における代表的な高木種の一つで、特に梅雨の5月頃になると、真っ白な花が一斉に咲き誇り、森を明るく彩ります。イジュの花はとても美しく、観察シーズンには目を引きます。
樹皮にはサポニンが含まれており、かつて沖縄では、この樹皮を粉末にして魚毒として利用した歴史もあります。また、焼いて得られる灰は、沖縄そばの製麺時に使う「草木灰」として利用されていました。
2〜3月には新芽が赤く染まり、この時期は他の木と容易に区別できます。一方、夏に花も新芽もない時期には、鋸歯のあるブナ科の樹木と見間違えやすいこともあります。
参考資料:
山羊百科(中国語)
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒメツバキ/
国立科学博物館ー琉球の植物データベース




なお、イジュの白い花は、沖縄の古い民謡「辺野喜節(べのきぶし)」にも歌われており、人々の生活や文化の中でも身近な存在でした。
伊集の 木の 花や
いじゅぬ きぬ はなや
あん 清らさ 咲きゆい
あん ちゅらさ さちゅい
わぬも 伊集 やとて
わぬん いじゅ やとぅてぃ
真白 咲か
ましら さかな
(意味) 伊集の木の花は,あんなにもきれいに咲いている。私も伊集の木の花のように,真っ白にきれいに咲きたいものだ。

