Geothelphusa aramotoi 和名:アラモトサワガニ中国語名:新本澤蟹英語名:Aramoto Freshwater Crab原産地:沖縄島、伊平屋島 参考資料:Potamoid Crabs of the Ryukyu Islands? with Desrciptionsof Five New Species (Crustacea, Decapoda, Potamoidea) アラモトサワガニは、甲幅約3cmで、沖縄島に分布するサワガニ類の中で最も分布が限られている種です。特定の渓流流域にのみ生息しており、他のサワガニ類が水域から離れることがあるのに対して、本種はほぼ水中で生活しています。 命名の由来は文献中に明記されていませんが、記載論文のタイプ標本の採集者「Y. Aramoto」氏にちなむものと思われます。
Author: YambaruWanyu
サキシマハブ
Protobothrops elegans 和名:サキシマハブ中国語名:先島原矛頭蝮、先島波布、麗紋龜殼花、先島烙鐵頭英語名:Sakishima Habu原産地:八重山諸島(ただし与那国島および波照間島を除く)。沖縄島南部および中部では国内外来種。 サキシマハブの体長は約60〜120cmで、ハブと比べてかなり小型です。体色は褐色系で、個体差による濃淡の変化があります。毒性はハブの半分程度とされています。 1970年代、観光施設においてインドマングースとの対決ショーやハブ製品の開発のために、八重山諸島から沖縄島へと人為的に導入されました。1976年には、観光施設で飼育されていた100匹のサキシマハブが盗まれ、野外に放たれたことにより、現在では糸満市に定着した個体群が存在します。那覇市や名護市でも個体が捕獲されていますが、安定した個体群が存在するかどうかは不明です。また、沖縄島ではハブとサキシマハブの交雑個体も確認されています。
リュウキュウヤマガメ
Geoemyda japonica 和名:リュウキュウヤマガメ中国語名:琉球黑胸葉龜、日本地龜英語名:Okinawa black-breasted leaf turtle原産地:沖縄島北部、久米島、渡嘉敷島 リュウキュウヤマガメは、中国やベトナムに分布するスペングラーヤマガメ(Geoemyda spengleri)に近縁で、かつてはその亜種とされていましたが、1992年に独立種と認定されました。美しいリュウキュウヤマガメは密猟者の標的となりやすく、2013年以降ワシントン条約の対象種に指定され、商業輸出は禁止されています。それにもかかわらず、2018年には香港で60匹の密輸個体が発見され、沖縄の空港で密輸を食い止められなかったことが、日本の税関の対応の甘さとして問題視されました。 また、野外のリュウキュウヤマガメは、生息地の破壊や殺虫剤による中毒、道路脇の溝に落ちること、野生化したネコやイヌによる捕食、ロードキルなどの影響で、近年個体数が急激に減少しています。
オキナワアオガエル
Zhangixalus viridis 和名:オキナワアオガエル中国語名:沖繩樹蛙英語名:Okinawa Tree Frog原産地:沖縄島、伊平屋島、久米島 11月から5月にかけて、やんばるではオキナワアオガエルの繁殖期の鳴き声がよく聞こえます。オスの腹部は黄色、メスの腹部は白色で、体の大きさにも大きな差があるため、雌雄の識別は比較的容易です。繁殖活動が盛んな冬の時期には、樹上から道路へと移動する個体も多く、それに伴い交通事故に遭うケースも少なくありません。
オキナワイシカワガエル
Odorrana ishikawae 和名:オキナワイシカワガエル中国語名:沖繩石川蛙英語名:Okinawa Ishikawa Frog原産地:沖縄島北部の固有種 「オキナワイシカワガエル」という名前は、もともとは奄美大島と沖縄島の個体群を含むものでしたが、その後、奄美大島の個体群が別種(アマミイシカワガエル)として分類されるようになったため、沖縄の個体群には「オキナワ」が付け加えられ、「オキナワイシカワガエル」という和名が定着しました。 「日本一美しいカエル」と称されることもあり、ヤンバルで両生類観察をする人にとって、最も見たい種の一つです。繁殖期は冬で、渓流環境にて鳥の鳴き声のような高音の鳴き声を発します。 オタマジャクシは渓流で成長し、図鑑ではその年の夏に変態すると記載されていますが、一部の個体はオタマジャクシのまま越冬し、翌年の夏に変態することもあるため、8月でもオタマジャクシが観察される可能性があります。 和名と種小名は、日本に進化論を紹介した東京帝国大学の石川千代松教授(1860–1935)に由来します。彼の有名なエピソードのひとつは、上野動物園にキリンを導入したことです。1935年、台湾での会議中に病気により台北で亡くなりました。 この投稿をInstagramで見る Yanbaru nature guide – Wanyu(@yanbaru_wanyu)がシェアした投稿
アマミイシカワガエル
Odorrana splendida 和名:アマミイシカワガエル中国語名:奄美石川蛙、大島臭蛙英語名:Amami ishikawa frog原産地:奄美大島固有種 かつてアマミイシカワガエルは、沖縄島に分布するイシカワガエル(Odorrana ishikawae)と同種とされていましたが、現在では別種として分類されています。沖縄のイシカワガエルと比べて、アマミイシカワガエルは頭部が小さく、体色はやや黄色味を帯び、皮膚の隆起は小さいものの粒状突起が密集しています。
クメジマミナミサワガニ
Candidiopotamon kumejimense 和名:クメジマミナミサワガニ中国語名:久米明溪蟹英語名:Kumejima Candidiopotamon Freshwater Crab原産地:久米島 本種は久米島の固有種であり、同じく久米島に分布するクメジマオオサワガニ(Geothelphusa kumejima)と比べて、甲羅に表面に粗いしわや突起が見られ、外見で容易に区別することができます。 ミナミサワガニ属(Candidiopotamon)は台湾および中琉球の一部の島々にのみ分布し、以下の4種が知られています:
ヤマシギ
Scolopax rusticola 和名:ヤマシギ中国語名:山鷸英語名:Eurasian Woodcock原産地:ユーラシア大陸に広く分布し、夏季は中緯度地域で繁殖し、冬季は南方へ渡って越冬する。琉球列島では冬鳥として見られる。 琉球列島では、北海道などから渡ってくるヤマシギを、9月下旬から翌年3月ごろまで観察することができます。奄美大島や徳之島には留鳥のアマミヤマシギ(Scolopax mira)が生息しており、沖縄島北部にも冬季に少数のアマミヤマシギが飛来するため、これらの地域では冬にヤマシギとアマミヤマシギの両方が見られる可能性があります。そのため、冬にシギ類を観察した際には、細部の特徴を確認して種を識別する必要があります。
ホントウアカヒゲ
Larvivora namiyei 和名:ホントウアカヒゲ中国語名:沖繩歌鴝英語名:Okinawa Robin原産地:沖縄島北部 ホントウアカヒゲは、沖縄島北部・やんばる地域にのみ分布する固有種です。オスは顔から胸にかけて黒い羽毛をもち、メスは灰色の羽毛です。森林の下層で生活し、地面のミミズなどの小動物を食べます。リュウキュウイノシシに掘り返された土の上で餌を探す姿が見られることもあります。 ホントウアカヒゲ(L. namiyei)とアカヒゲ(L. komadori)の違いとして、アカヒゲは腹部の側面に黒い羽毛がありますが、ホントウアカヒゲにはそれがありません。
アカヒゲ
Larvivora komadori 和名:アカヒゲ中国語名:琉球歌鴝英語名:Ryukyu Robin原産地:奄美大島、徳之島、男女群島、トカラ列島(留鳥または夏鳥) アカヒゲは、徳之島より北の琉球列島に分布していますが、冬には南に渡って越冬することがあり、沖縄島、与那国島、台湾、さらには香港でも観察記録があります。沖縄島北部に留鳥として生息する個体群は、独立種であるホントウアカヒゲです。アカヒゲのオスは顔から胸にかけて黒く、翼の下部に黒斑がありますが、ホントウアカヒゲにはそれがなく、識別のポイントになります。