Protobothrops mucrosquamatus 和名:タイワンハブ中国語名:龜殼花英語名:Brown spotted pitviper原産地:インド、バングラデシュ、ミャンマー、台湾、中国本土 沖縄島のタイワンハブは台湾から移入された外来種で、現在は本部半島や恩納村などに主に分布しています。かつて沖縄では、在来のハブ(Protobothrops flavoviridis)を用いた毒蛇ショーやハブ粉(漢方薬)による商業利益を目的として、1970〜1990年代にかけて台湾から多数のタイワンハブが輸入され、飼育されていました。現在野外で確認される個体群は、飼育施設の閉鎖や管理の不備により逸出・放逐されたものと考えられています。 ※ 外来生物法により「特定外来生物」に指定されています。 参考資料:国立環境研究所 外来生物データベースhttps://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/30130.html
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ヤンバルクロギリス
Melanabropsis yanbarensis 和名:ヤンバルクロギリス中国語名:山原烏黯螽英語名:Yambaru Chevron Cricket原産地:沖縄島、久米島 ヤンバルクロギリスは、以前は沖縄島の固有種と考えられていましたが、近年になって久米島でも生息が確認されました。スダジイなどの樹洞ができる大木の近くに出現し、ヤンバルクロギリスが見られる場所は原生林が残されている証でもあります。 大顎は非常に強く、スダジイの堅いドングリもかみ砕くことができるほど、指をかまれると出血する可能性があります。 參考資料:MelanabropsisDistribution of the mysterious Chevron Crickets Melanabropsis Wang & Liu, 2020, with a remarkable new species from Hainan, China (Orthoptera: Anostostomatidae: Anabropsini)
アオバナハイノキ
Symplocos liukiuensis liukiuensis 和名:アオバナハイノキ中国語名:青花灰木英語名:Ryukyu Sweetleaf原産地:沖永良部島、沖縄島 本種は沖永良部島と沖縄島にのみ分布する固有亜種であり、もう一方の亜種であるイリオモテハイノキ(Symplocos liukiuensis iriomotensis)は西表島のみに分布しています。2月にかけて小さくて可愛らしい紫色の花を咲かせますが、その美しさゆえに野生個体は盗掘の被害を受けており、現在では野外で見られる株は多くありません。
ケナガネズミ
Diplothrix legata 和名:ケナガネズミ中国語名:琉球鼠、琉球長毛鼠英語名:Ryukyu long-tailed giant rat / Ryukyu rat原産地:沖縄島北部、徳之島、奄美大島の固有種 ケナガネズミは、ケナガネズミ属(Diplothrix)の唯一の種であり、中琉球諸島を代表する動物の一つです。本種は国の天然記念物、国内希少野生動植物種、IUCNレッドリストでも絶滅危惧種に指定されています。日本産のネズミ類では最大で、幼獣は灰色、成獣は茶色っぽい体色をしており、体長は約30cm、尾長も約30cmで、尾の1/3ほどが白くなっています。ほとんど樹上で生活します。 食性は植物の種子や新芽を中心に、たとえばリュウキュウマツの種子やブナ科植物のドングリなどを食べ、時には昆虫も食べます。繁殖期は秋です。 ケナガネズミは主に樹上を移動しますが、大きな道路が森林を分断している場合は、地上に降りて道路を横断せざるを得ず、その際にロードキルされることがあります。国頭村を通る県道2号線は、ケナガネズミのロードキルが頻発する場所として知られています。
リュウキュウアカガエル
Rana ulma 和名:リュウキュウアカガエル中国語名:琉球赤蛙、沖繩林蛙英語名:Ryukyu Brown Frog原産地:沖縄島、久米島 かつては、徳之島・奄美大島・沖縄島・久米島に分布するアカガエル類は、すべてリュウキュウアカガエルとされていました。しかし、近年の研究により、沖縄島と久米島の個体群は徳之島・奄美大島の個体と外見が似ているものの、鳴き声に明らかな違いがあることが判明し、別種とされました。現在、徳之島・奄美大島に分布するのはアマミアカガエル(Rana kobai)、沖縄島と久米島に分布するのはリュウキュウアカガエル(Rana ulma)とされています。種小名の ulma は沖縄島にある地名「うるま市」と同様、沖縄方言で「サンゴの島」を意味します。 リュウキュウアカガエルは12月中頃の冬季に繁殖します。多くのオスとメスが渓流の浅瀬に集まり、集団で産卵を行います。繁殖期を過ぎると、森林の地表でも活動が見られますが、発見は難しくなります。背面の体色は黄褐色から赤褐色までさまざまで、個体によって異なります。
シロアゴガエル
Polypedates leucomystax 和名:シロアゴガエル中国語名:白頷樹蛙英語名:White-lipped Tree Frog原産地:インド北東部からフィリピンなど、東南アジアに広く分布 参考資料:国立環境研究所 外来生物データベースhttps://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/40030.html 本種は現在、沖縄諸島の多くの島々、北大東島、先島諸島(宮古島、石垣島を含む)、および鹿児島県の与論島などで分布が確認されており、特に沖縄島と宮古島でよく見られます。西表島ではかつて生息していましたが、2019年に完全駆除が宣言されました。 シロアゴガエルは、1964年に沖縄島で初めて発見され、宮古島では1997年に初記録されました。沖縄は1945年から1972年までアメリカの統治下にあったため、その際に物資とともに個体が持ち込まれた、あるいは飼育されていたものが逃げ出して分布を広げた可能性が考えられます。 ※ 外来生物法により「特定外来生物」に指定されています※ 「日本の侵略的外来種ワースト100」の一種です 台湾にも同属のカエルが2種生息しており、外来種のバンタイアマガエル(Polypedates megacephalus)と、在来種のブラウアアマガエル(P. braueri)がいます。以前は同定の混乱があり、これらの種がシロアゴガエルと誤認されることもありました。しかし学名に基づけば、「シロアゴガエル」は本種 Polypedates leucomystax のみに該当します。種小名 leucomystax は、ギリシャ語の leuco-(白)と mystax(上唇)に由来しており、白い唇縁が目立つ本種の特徴を反映しています。
ミナミオカガニ
Cardisoma carnifex 和名:ミナミオカガニ中国語名:凶狠圓軸蟹英語名:Brown Land Crab原産地:東南アジアの太平洋・インド洋沿岸、日本では琉球列島の与論島以南の島々に分布 ミナミオカガニは琉球列島に生息するオカガニ類の一種です。近年では沿岸部の環境破壊や、幼生を海に放つ際の移動路が海岸道路によって遮られることなどにより、その個体数は大きく減少しています。沖縄島にも見られますが、比較的まれです。 外見が類似しているオカガニ(Tuerkayana hirtipes)とは、複眼の色で見分けることができます。ミナミオカガニの複眼は灰色であるのに対し、オカガニの複眼は黒色です。 参考資料:台湾台江国家公園 特集記事:ミナミオカガニ by 台湾生態学会 劉烘昌ミナミオカガニの紹介
タイワンサソリモドキ
Typopeltis crucifer 和名:タイワンサソリモドキ中国語名:台灣鞭蠍英語名:Taiwan whipscorpion原産地:伊平屋島、沖縄島、石垣島、西表島、鳩間島、小浜島、与那国島、台湾 タイワンサソリモドキは刺激を受けると、尾部から酢酸を含む酸性のガスを噴出して敵を追い払います。本種は石垣島や西表島では比較的よく見られますが、沖縄島ではあまり見かけません。 オスとメスで外見に違いがあり、オスの触肢は下向きに曲がっています。メスの触肢は真っ直ぐに尖っています。 参考資料:https://ja.wikipedia.org/wiki/タイワンサソリモドキ 雌雄の外見の違いに関する参考資料(タイワンサソリモドキ):https://announce.ndhu.edu.tw/message_3/1499331269/Newsletter%20106.06.pdf
カゴメラン
Goodyera hachijoensis var. matsumurana 和名:カゴメラン中国語名:銀線蓮、假金線蓮英語名:Goodyera hachijoensis原産地:伊豆諸島、屋久島、トカラ列島、沖縄諸島、奄美大島、八重山諸島、台湾 カゴメランは沖縄島にも分布記録がありますが、個体数は少なく、非常に珍しい植物です。本種は盗掘の対象となることが多く、保護が強く求められています。 分布地に関する参考資料:https://www.kahaku.go.jp/research/activities/project/hotspot_japan/ryukyus/db/S217.html
ケブカコフキコガネ
Tricholontha papagena 和名:ケブカコフキコガネ中国語名:多毛粉吹金龜英語名:Ryukyu Melolonthidae Scarab Beetles原産地:沖縄島、徳之島、奄美大島 本種はコフキコガネ亜科(Melolonthinae)の Tricholontha 属に属する昆虫で、オスは大きな櫛状の触角を持ちます。上翅に多数の短毛が見られることから、和名の「ケブカ(毛深)」は「毛が多い」という意味です。 本種には2つの亜種が知られています: 幼虫はリュウキュウチクの根を食べて育ち、2年周期で発生します。沖縄島では偶数年の11月下旬から翌年1月にかけて成虫が見られます。オスは光に引き寄せられる性質があり、懐中電灯や車のヘッドライトに飛んでくることもあります。 メスは櫛状の触角を持たず、観察例が非常に少ないです。これはメスが自ら移動してオスを探すことがないためと考えられています。私は幸運にも2024年12月に1匹のメスを観察することができました。