Diplothrix legata 和名:ケナガネズミ中国語名:琉球鼠、琉球長毛鼠英語名:Ryukyu long-tailed giant rat / Ryukyu rat原産地:沖縄島北部、徳之島、奄美大島の固有種 ケナガネズミは、ケナガネズミ属(Diplothrix)の唯一の種であり、中琉球諸島を代表する動物の一つです。本種は国の天然記念物、国内希少野生動植物種、IUCNレッドリストでも絶滅危惧種に指定されています。日本産のネズミ類では最大で、幼獣は灰色、成獣は茶色っぽい体色をしており、体長は約30cm、尾長も約30cmで、尾の1/3ほどが白くなっています。ほとんど樹上で生活します。 食性は植物の種子や新芽を中心に、たとえばリュウキュウマツの種子やブナ科植物のドングリなどを食べ、時には昆虫も食べます。繁殖期は秋です。 ケナガネズミは主に樹上を移動しますが、大きな道路が森林を分断している場合は、地上に降りて道路を横断せざるを得ず、その際にロードキルされることがあります。国頭村を通る県道2号線は、ケナガネズミのロードキルが頻発する場所として知られています。
Category: ほ乳類
アマミノクロウサギ
Pentalagus furnessi 和名:アマミノクロウサギ中国語名:奄美黑兔、琉球兔、奄美短耳兔英語名:Amami Rabbit原産地:徳之島、奄美大島 アマミノクロウサギは、Pentalagus 属に属する唯一の種で、短い耳と穴を掘るための爪を持ちます。徳之島と奄美大島にのみ分布しています。主に夜行性で、多種多様な植物を食べます。 現在知られている限り、Pentalagus 属に最も近縁な属はすでに絶滅した上新五褶兎属(Pliopentalagus)であり、これまでに中国・安徽省で3種の絶滅種が確認されています:淮南上新五褶兔 Pl. huainanensis、大居山上新五褶兔 Pl. dajushanensis、安徽上新五褶兔 Pl. anhuiensis。 参考資料:Tomida, Yukimitsu, and Chang‑Zhu Jin. “Two New Species of Pliopentalagus (Leporidae, Lagomorpha) from the Pliocene of Anhui Province, China, with a Revision of P. huainanensis.” Vertebrata PalAsiatica, vol. 47, no. 1, 2009, pp. 53–71. 外来種の駆除などの保全対策により、現在アマミノクロウサギの個体数はかなり安定しており、観察はそれほど難しくありません。下の図は環境省の施設「奄美野生生物保護センター」における展示内容で、糞の調査に基づく分布図も含まれており、その分布範囲が広いことがわかります。2023年2月の報道によると、アマミノクロウサギの個体数は約2万匹と推定されています。 参考資料:讀賣新聞(2023/2/2):アマミノクロウサギ個体数回復、天敵のマングース駆除奏功…農産物の食害など新たな課題も Pentalagus という属名は「歯が5本のウサギ」という意味で、本種の「タイプ標本」の上顎臼歯が左右それぞれ5本しかなかったことに由来します。これに対して、現存するウサギ類の上顎臼歯は左右ともに6本ずつあります。実際にアマミノクロウサギの上顎臼歯も左右6本ずつです。 参考資料(下の図):奄美野生生物保護センター ニュースレター「奄美の風だより」 2011.3.31発行第40号https://ja.wikipedia.org/wiki/アマミノクロウサギ 参考資料(下の図):現生アマミノクロウサギの頭骨鹿野和彦, 大塚裕之. 「特別公開『世界初、徳之島で発見されたアマミノクロウサギの化石』」.… Continue reading アマミノクロウサギ
クビワオオコウモリ
Pteropus dasymallus 和名:クビワオオコウモリ中国語名:琉球狐蝠英語名:Ryukyu flying fox / Ryukyu fruit bat原産:南西諸島と台湾 クビワオオコウモリは南西諸島と台湾に分布し、複数の亜種に分かれています。沖縄島ではオリイオオコウモリがよく見られます。クビワオオコウモリは新芽、果実、花蜜などさまざまな植物を食べるため、季節ごとの食物の予測ができれば、より簡単にフィールドで観察できます。 クビワオオコウモリの亜種: