Pyrocoelia matsumurai matsumurai 和名:オキナワマドボタル中国語名:沖繩窗螢英語名:Okinawa Pyrocoelia Firefly原産地:沖縄諸島の一部の島嶼、八重山諸島の一部の島嶼 オキナワマドボタル(Pyrocoelia matsumurai)はマドボタル属(Pyrocoelia)に属する種で、以下の3亜種に分けられています: やんばる地域では、湿った側溝の周辺でライトを消すと、本種 P. m. matsumuraiの幼虫を観察できることがあります。幼虫は陸生で肉食性、特にカタツムリを好んで捕食します。成虫は4月頃に出現します。
Category: 昆虫
クスサン
Rinaca japonica ryukyuensis 和名:クスサン中国語名:雙黑目天蠶蛾(琉球亜種)英語名:Japanese Giant Silkworm原産地:奄美大島、徳之島、沖縄島 クスサン(Rinaca japonica)には3つの亜種があります: 琉球亜種の成虫は指名亜種よりも色が濃い傾向があります。和名「クスサン(樟蚕)」とありますが、幼虫はクスノキ属以外の植物も食べる多食性で、特に春(4月頃)によく見られます。大発生すると樹木の葉を食べ尽くすこともあります。幼虫は青緑色の長い毛をもち、気門は青く、毒毛はなく触っても問題ありません。成虫の後翅には二つの大きな黒斑があります。 参考資料: 幼虫がタブノキを食べる(Machilus thunbergii) この投稿をInstagramで見る Yanbaru Nature Guide Wanyu(@yanbaru_wanyu)がシェアした投稿
ヤエヤマカラスアゲハ
Papilio bianor 和名:ヤエヤマカラスアゲハ中国語名:翠鳳蝶、烏鴉鳳蝶(台湾)、碧鳳蝶(香港)英語名:Chinese Peacock Swallowtail原産地:台湾、中国、日本、朝鮮、ベトナム北部、インド、ミャンマー。日本では八重山諸島に分布。 本種は八重山諸島でよく見られる大型のアゲハチョウで、台湾や香港、中国などにも分布しています。幼虫の食草はミカン科の植物で、夜間は植物の上で休んでいることがよくあります。
クロカダゾウムシ
Pachyrhynchus infernalis 和名:クロカダゾウムシ中国語名:八重山球背象鼻蟲英語名:Yaeyama Pachyrhynchus weevils原産地:石垣島、西表島 本種は、日本国内で唯一分布が確認されているカダゾウムシ属(Pachyrhynchus)の種で、石垣島と西表島のみに生息しています。カダゾウムシ属は主にフィリピンの島々に分布し、台湾の蘭嶼や緑島にも複数種が確認されています。 この属の特徴として、上翅が癒合しており飛行できないことが挙げられます。近年、カダゾウムシ属がフィリピンから蘭嶼、緑島、八重山諸島へどのように拡散したのかについて研究が進められています。 多くのカダゾウムシ属の種は鮮やかな体色や模様を持っていますが、本種は模様のない黒色をしているのが特徴です。 関連研究:Tseng, H-Y., W-S. Huang, M-L. Jeng, R.J.T. Villanueva, O.M. Nuñeza and C-P. Lin (2017). Complex inter-island colonization and peripatric founder speciation promote diversification of flightless Pachyrhynchus weevils in the Taiwan-Luzon volcanic belt. Journal of Biogeography.
ヤンバルクロギリス
Melanabropsis yanbarensis 和名:ヤンバルクロギリス中国語名:山原烏黯螽英語名:Yambaru Chevron Cricket原産地:沖縄島、久米島 ヤンバルクロギリスは、以前は沖縄島の固有種と考えられていましたが、近年になって久米島でも生息が確認されました。スダジイなどの樹洞ができる大木の近くに出現し、ヤンバルクロギリスが見られる場所は原生林が残されている証でもあります。 大顎は非常に強く、スダジイの堅いドングリもかみ砕くことができるほど、指をかまれると出血する可能性があります。 參考資料:MelanabropsisDistribution of the mysterious Chevron Crickets Melanabropsis Wang & Liu, 2020, with a remarkable new species from Hainan, China (Orthoptera: Anostostomatidae: Anabropsini)
ケブカコフキコガネ
Tricholontha papagena 和名:ケブカコフキコガネ中国語名:多毛粉吹金龜英語名:Ryukyu Melolonthidae Scarab Beetles原産地:沖縄島、徳之島、奄美大島 本種はコフキコガネ亜科(Melolonthinae)の Tricholontha 属に属する昆虫で、オスは大きな櫛状の触角を持ちます。上翅に多数の短毛が見られることから、和名の「ケブカ(毛深)」は「毛が多い」という意味です。 本種には2つの亜種が知られています: 幼虫はリュウキュウチクの根を食べて育ち、2年周期で発生します。沖縄島では偶数年の11月下旬から翌年1月にかけて成虫が見られます。オスは光に引き寄せられる性質があり、懐中電灯や車のヘッドライトに飛んでくることもあります。 メスは櫛状の触角を持たず、観察例が非常に少ないです。これはメスが自ら移動してオスを探すことがないためと考えられています。私は幸運にも2024年12月に1匹のメスを観察することができました。
リュウキュウサワマツムシ
Vescelia pieli ryukyuensis 和名:リュウキュウサワマツムシ中国語名:琉球擬亮蟋、比爾擬亮蟋琉球亞種、皮爾氏亮蟋琉球亞種英語名:Ryukyu Stream Cricket原産地:奄美大島、徳之島、沖縄島、久米島、石垣島、西表島 沖縄の渓流環境では、リュウキュウサワマツムシの澄んだ高音の鳴き声をよく耳にします。これはオスが前翅を擦り合わせて発する求愛音です。鳴き声は5月から12月にかけて聞くことができますが、本種は警戒心が強く、人が近づくとすぐに鳴き止んでしまうため、目視での観察は困難です。 Vescelia pieli には他に中国の広東省や海南島に分布する亜種 V. p. pieli と V. p. monotonia が知られています(参考サイト)。詳細は以下の研究文献を参照してください:DI TIAN,CHU-ZE SHEN, LIN CHEN, GUANG-YU CHEN, TAO ZHANG, KAI LI & ZHU-QING HE.2019. An integrative taxonomy of Vescelia pieli pieli species complexbased on morphology, genes and songs from China (Orthoptera: Grylloidea:Phalangopsidae: Phaloriinae). Zootaxa, 4695 (1): 67–75.
ハグルマヤママユ
Loepa sakaei 和名:ハグルマヤママユ中国語名:琉球黃豹天蠶蛾英語名:Ryukyu Golden Emperor Moth原産地:沖縄島、徳之島、奄美大島 本種はとても美しい大型のガで、開張は約8cmに達します。3月から10月にかけて見られる可能性がありますが、個体数が少なく、あまり目にすることはありません。幼虫の食草はシマサルナシ(Actinidia rufa)です。
リュウキュウハグロトンボ
Matrona japonica 和名:リュウキュウハグロトンボ中国語名:琉球羽黑蜻蛉、琉球單脈色蟌英語名:Ryukyu Matrona Damselfly原産地:沖縄島、徳之島、奄美大島 リュウキュウハグロトンボは、やんばる地域でよく見られる大型のカワトンボです。かつては中国などに分布する Matrona basilaris の亜種の一つと考えられていましたが、後に独立種とされました。本種は沖縄島、徳之島、奄美大島のみに分布し、中琉球に固有の種です。オスは美しい金属光沢のある緑色の体を持ち、メスは暗緑色の体に黒褐色の翅を持ち、翅の先端に白い偽縁紋があるのが特徴です。 參考資料:Hämäläinen, M., & Yeh, W. C. (2000). Matrona cyanoptera spec. nov. from Taiwan:(Odonata: Calopterygidae). Flumserberg Scientific Publishers.Yu, X., Xue, J., Hämäläinen, M., Liu, Y., & Bu, W. (2015). A revised classification of the genus Matrona Selys, 1853 using molecular and morphological methods (Odonata: Calopterygidae). Zoological Journal of the… Continue reading リュウキュウハグロトンボ
リュウキュウアブラゼミ
Graptopsaltria bimaculata 和名:リュウキュウアブラゼミ中国語名:琉球油蟬英語名: Ryukyu Aburazemi, Ryukyu large brown cicada原産:沖縄島及び周辺の離島、奄美大島、加計呂麻島、徳之島 参考資料:《沖縄のセミ》新星出版 日本の屋久島以北には別のアブラゼミ (G. nigrofuscata) が分布しており、リュウキュウアブラゼミは奄美諸島や沖縄諸島などの中琉球の特有種です。沖縄諸島と奄美諸島の個体群には模様に若干の違いがあります。 リュウキュウアブラゼミは、沖縄島のセミの中で最も識別しやすい種であり、茶色の翅を持つセミを沖縄島で見かけたら、それは間違いなくリュウキュウアブラゼミです。他のセミは透明な翅を持っています。 6月上旬から10月にかけて、その鳴き声を聞くことができ、鳴き声は「カチカチカチ——チー」といった感じで、最後に引き伸ばされる音が特徴です。この音が鍋をこすり洗いする音に似ているため、沖縄の方言では「ナービーカチカチ」と呼ばれています。ナービーは鍋を意味します。 琉球大学博物館【風樹館】:鳴き声 220909 リュウキュウアブラゼミの羽化 リュウキュウアブラゼミが羽化した直後の翅の色は白ですが、時間が経つと茶色に変わります。今回はその変化を待つことができず、翅が茶色になるのにどれくらいの時間がかかるのか分かりませんでした。 また、リュウキュウアブラゼミの蝉の抜け殻の腹部末端が丸くなっている部分が大きい場合、これはオスを意味します。メスであれば産卵管があるため、この丸い部分は小さく見えます。