オキナワヤマタカマイマイ

Satsuma eucosmia eucosmia

和名:オキナワヤマタカマイマイ(ヤンバルヤマタカマイマイ)
中国語名:沖繩高腰蝸牛
英語名:Satsuma eucosmia
原産地:沖縄諸島(沖縄島、伊江島、瀬底島、津堅島など)。別亜種が鹿児島県の沖永良部島に分布。

沖縄諸島に分布するニッポンマイマイ属(Satsuma)の樹上性種の中で、沖縄島で比較的よく見られる種は以下の通りです:

Satsuma eucosmia は色彩の変異が大きく、種小名「eucosmia」は「美しい装飾」という意味を持ちます。ピンク、茶色、白地に黒の螺旋模様など、さまざまな色彩の個体が存在します。

S. e. erabuensis 以外の分類については、現在も議論があり、恩納村以南に分布し殻が低めの個体群を S. e. eucosmia、一方で殻が高く赤みが強い個体群を別亜種 S. e. ssp. として分けるべきという意見もありますが、現時点ではこの分類は正式には認められていません。

また、沖縄島に分布する Satsuma largilliertiS. e. eucosmia のうち、殻が低く白っぽいタイプは外見が非常によく似ています。文献では生殖器の構造により識別可能とされていますが、それを観察できない場合は分布域からある程度推測するしかありません。一般的には、本部半島では S. largillierti、那覇以南では S. e. eucosmia が見られますが、実際には分布が重なっており、外見だけでの判別は困難です。

参考資料:

Kameda, Yuichi, and Makoto Kato. “Systematic Revision of the Subgenus Luchuhadra (Pulmonata: Camaenidae: Satsuma) Occurring in the Central Ryukyu Archipelago.” Venus: Journal of the Malacological Society of Japan, vol. 66, no. 3–4, Mar. 2008, pp. 127–145. doi:10.18941/venus.66.3‑4_127

2021/11/6国頭村:Satsuma eucosmia の可能性あり。外見的にヤンバル型(S. e. ssp.)とされることも。
2024/2/29 国頭村:Satsuma eucosmia の可能性あり。外見的にヤンバル型(S. e. ssp.)とされることも。
2023/9/17 本部町:地域からして Satsuma largillierti だと思います。
2022/9/9 大宜味村西部にて撮影。S. largilliertiS. e. eucosmia が共存する地域のため、判別困難。
2023/3/22 国頭村の大石林山にて撮影。S. largilliertiS. e. eucosmia が共存する地域のため、判別困難。