Pentalagus furnessi
和名:アマミノクロウサギ
中国語名:奄美黑兔、琉球兔、奄美短耳兔
英語名:Amami Rabbit
原産地:徳之島、奄美大島
アマミノクロウサギは、Pentalagus 属に属する唯一の種で、短い耳と穴を掘るための爪を持ちます。徳之島と奄美大島にのみ分布しています。主に夜行性で、多種多様な植物を食べます。
現在知られている限り、Pentalagus 属に最も近縁な属はすでに絶滅した上新五褶兎属(Pliopentalagus)であり、これまでに中国・安徽省で3種の絶滅種が確認されています:淮南上新五褶兔 Pl. huainanensis、大居山上新五褶兔 Pl. dajushanensis、安徽上新五褶兔 Pl. anhuiensis。

外来種の駆除などの保全対策により、現在アマミノクロウサギの個体数はかなり安定しており、観察はそれほど難しくありません。下の図は環境省の施設「奄美野生生物保護センター」における展示内容で、糞の調査に基づく分布図も含まれており、その分布範囲が広いことがわかります。2023年2月の報道によると、アマミノクロウサギの個体数は約2万匹と推定されています。
参考資料:
讀賣新聞(2023/2/2):アマミノクロウサギ個体数回復、天敵のマングース駆除奏功…農産物の食害など新たな課題も

Pentalagus という属名は「歯が5本のウサギ」という意味で、本種の「タイプ標本」の上顎臼歯が左右それぞれ5本しかなかったことに由来します。これに対して、現存するウサギ類の上顎臼歯は左右ともに6本ずつあります。実際にアマミノクロウサギの上顎臼歯も左右6本ずつです。
参考資料(下の図):
奄美野生生物保護センター ニュースレター「奄美の風だより」 2011.3.31発行第40号
https://ja.wikipedia.org/wiki/アマミノクロウサギ

参考資料(下の図):
現生アマミノクロウサギの頭骨
鹿野和彦, 大塚裕之. 「特別公開『世界初、徳之島で発見されたアマミノクロウサギの化石』」. 鹿児島大学総合研究博物館, no. 38, 2016, p. 2.

